リンクアンドモチベーション「使える! モチベーション仕事術【70のヒント&ツール】」東洋経済新報社(2007年10月)★★☆☆☆


リンクアンドモチベーションで実際に運用されている、職場ですぐできるモチベーションアップの
施策を紹介した本。
 
「仕事術」系の本はあまり読まないように注意しているのだけれども、リンクアンド
モチベーションの本ということもあって読んでみたら参考になる箇所が結構あった。
 
個人的に面白いなと思った施策は以下5つ。
 

1. あなたを待っていた!「Welcomeメッセージ」で新メンバーを迎える

旧メンバーを送りだすときに書くような寄せ書きを新メンバーに書いて渡してあげる。
「あなたを喜んで迎え入れる」という気持ちを明確に示す。
 

2. 目立たないところでがんばるあの人に!”感謝の星”を授与する

ちょっと違うが「はてなスター」のようなものか。
がんばっている人や縁の下の力持ちに対して星を捧げるとやる気が出る。
 

3. 嬉しいトピックスは「オールメール」でメッセージする

新入社員の初受注などを全員にメールで知らせる。
スポットライトを浴びた人も、浴びていない人もモチベーションが上昇する。
 

4. 「変えられるもの」にエネルギーを集中する

これはいつも頭の中にしまっておこうと思っているがしばしば忘れてしまうことがある。
変えられるものと変えられないものを明確に切り分けて考え、変えられるものに時間を集中する。
 

5. 「タイムスイッチ法」でモチベーションをコントロールする

長いスパンで見れば、今はほんの一瞬。短いスパンで見れば、目先集中できる。
考え方における時間軸のコントロールができれば、モチベーションがコントロール可能となる。
 
その他、日本人のライフスタイルを8つのタイプに分類する「LiSA」という考え方が面白く、
人的資源の配分などに利用できるかもしれないと思った。
「LiSA」では、縦軸を「積極的・自己向上」or「消極的・現状維持」、横軸を「真面目・堅実に」or
「楽しく・刺激的に」とし、8つのタイプに分類している。

アチーブ 自立達成型 / 11.4% 約1039万人
プレジャー 浪費快楽型 / 10.1% 約926万人
ナイーブ 感性感覚型 / 8.3% 約759万人
リョウシキ 良識社会型 / 14.9% 約1366万人
ヘイオン 中庸雷同型 / 22.3% 約2039万人
キハン 保守規律型 / 13.3% 約1217万人
ヤリクリ 遣り繰り倹約型 / 約904万人
クール 静的無関心型 / 9.8% 約900万人

 
この8つの分類を利用して、市場や顧客の嗜好を考えたり、自社の社員の役割配分を考えたり
できるという理論である。
 
この「LiSA」については、以下の本に詳しいようである。
場合によっては購入し、読んでみようと思う。

「消費行動の「なぜ?」がわかる実践講座ライフスタイル・マーケティング」
ODSマーケティングコンサルティングチーム (著), 有田 曉生

 
ところで最近考えていることであるが、今の日本企業には従来から求められている、市場を分析する
「マーケティング」と、これから求められるであろう、社内の人材を分析する「マーケティング」
という二つの観点のマーケティングが必要だと思う。
 
考え方自体は特段新しいことでもないのかもしれないが、私は「社内をマーケティングする」という
発想を結構気に入っている。
 
この社外と社内を総合的にマーケティングするという考え方(Comprehensive Marketingとでも命名
すべきであろうか)を日本企業に導入するための包括的理論を構築できないか考えているのである。
  
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