水村美苗「私小説 from left to right」新潮社(1995年9月)★★★★☆

私小説 from left to right (新潮文庫)

私小説 from left to right (新潮文庫)


いろいろな意味で面白かった本。
水村さんが「日本語が亡びるとき」を書くことを決意したその理由がなんとなくこの本に見て取れる。
 
1. タイトルどおり「左から右」へ書かれ英語が混じる独特の質感。
2. 水村さんが米国生活を通じて味わった、白人社会との絶対的な距離や英語の存在の大きさ。
3. 日本人が長年母国を離れて生活した際の日本人としての心境と日本への想いの変化。
 
これらが、一語一語を通して心の奥底まで伝わってくるのである。 
私小説という枠を飛び越えた、素晴らしい作品であった。
 
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