武者小路実篤(亀井勝一郎編)「武者小路実篤詩集」新潮文庫(1953年)★★★☆☆

武者小路実篤詩集 (新潮文庫)

武者小路実篤詩集 (新潮文庫)


20年近く前に読んだ「武者小路実篤詩集」をあらためて紐き読んでみる。
 
私は、武者小路実篤の「人間らしさ」が好きである。
 
人生には苦労や悩み、時には絶望があるけれど、その行きつく先が
掛け値なしで美しいものであるということを示してくれた人だから
素晴らしいのである。
 
武者小路の文学や詩に触れることは、人間らしく人生をまっとうする
きっかけになるだけでなくポジティブに生きる糧となる。
 
思い悩むことがあれば、またこの詩集を手に取ればよい。
 

(P.32) しようがない奴
 
「しようがない奴だ」
「そうだ、しようがない奴だ」
「君がだぜ」
「そうだ、僕がだ」

何でも認めて素直になってしまえばよい。
すべてはそこから始まる。
 

(P.61) さあ俺も
 
さあ、俺も立ち上がるかな。
まあ、もう少し坐っていよう。

自分に素直でいること、自分のペースで行うこと。
 

(P.68) 無理して
 
無理してよろこぶな
理窟でよろこぶな
自然によろこべる時に
よろこべ。

自然体の実篤らしい作品。
人は、自然のなかに溶け込んだ時に自由になる、創造的になる、そして幸せになる。
 

(P.88) 進め、進め
 
自分達は後悔なんかしていられない、
したいことが多すぎる
進め、進め。
 
麦が出来そこなった!
それもいヽだろう
あとの為になる
進め、進め。
 
家が焼けた!
それもいヽだろう
新しい家がたつ
進め、進め。
 
人がぬけました
仕方がない、
更にいヽ人が入るだろう、
進め、進め。
 
何をしたらいヽのかわからない!
しなければならないことを
片っぱしからしろ、忠実に。
進め、進め!
 
こんな歩き方でもいヽのか。
いヽのだ。
一歩でも一寸でも、信じる道を
進め、進め。
 
神がよしと見た道は
まちがいのない道だ
進め、進め。
 
兄弟姉妹の
幸福を祈って
進め、進め。
 
つい足をすべらした、
かまわない
過ちを再びするな
進め、進め。
 
後悔なんかしていられない、
したいことが多すぎる
進め、進め。

そう、実篤に続いて進めば良いのである。
 
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