キャサリン・サンソム「東京に暮らす 1928-1936」岩波文庫(1937年)★★☆☆☆

東京に暮す―1928~1936 (岩波文庫)

東京に暮す―1928~1936 (岩波文庫)


イギリスの外交官である夫ジョージ・サンソムの赴任に伴って来日したキャサリン・サンソム
(1883-1981)が、昭和初期の東京の街と人々の暮らしを軽妙な筆致で描いた日本印象記。
原題は「Living in Tokyo」。
 
教養のある著者は、当時の日本の情景や日本人の特徴を見事に描いている。
当時の日本が生き生きと見て取れる。
さらに、イギリスや他国との比較もあるから面白いのである。
 

(P.43)
日本人は天候に関するあらゆることにとても敏感です。さらに、この自然の状態に敏感であることが美を感じる心と密接に結びついています。この点で日本人に勝る国民はいないでしょう。

日本人として、誇りを持てることは山ほどある。
それらを見直してアイデンティティを強化せねば、これからのさらに進行する
グローバル化の中でふわふわとした存在になりかねない。
 

(P.196)
タクシーは非常にたくさん走っているので、小売店と同じで、採算が合うのか不思議です。
(中略)ガソリンがとても安いので、料金も非常に安くなっています。従って貧しい層の人たちもよくタクシーに乗ります。わずかな金額をめぐって運転手と口論した末に、五人、六人、あるいはそれ以上の客が車に乗り込むということはよくあります。

これは台湾赴任中に感じたことと同じ。
五人でタクシーに乗せてもらおうとして運転手さんと交渉し、乗り込んだことも
何回かあったなぁ。
 
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