台湾人と日本人の自由度

霧雨が台北の街を覆う午後、久しぶりに台湾科技大学の方に会いに行く。
 
この方は以前勤めていた会社を半年ほど前に辞め、現在は大学院の研究室で論文を書いている。
40歳を過ぎた彼は、大手IT関連メーカーで大きなプロジェクトの責任者という第一線で活躍していたが、
そのポジションに別れを告げ、現在は学生として毎日大学に通っている。
 
台湾のIT企業の多くはものすごいスピードで伸びており、売上高や利益が前年比で数十%以上
上昇するのが当たり前。
特に技術者は引っ張りだこで、どの企業も優秀な人材を獲得するためストックオプションを提供
するなどして躍起になっている状況。
こんな中で、彼は論文を書くために彼のポジションを惜しげもなく捨てた。
ちなみに彼は既婚で、お子さんもいる。
 
日本であれば、彼が取った上記の選択は非常にめずらしいものである。
しかしながらここ台湾では、若いうちというのは会社も3〜5年ほどで転職するのが通例。
知り合いがお店をはじめるなんて良く聞く話だし、知人を頼ってアメリカに移住したり、
ハワイでアイスクリーム屋を開業したり。
こんなダイナミックな行動を日々耳にするのである。
 
日本ではここ最近転職する人が多くなっているけれども、転職をするためにはある程度の「覚悟」が
必要だし、それを自分が取り得ない大き過ぎるリスクと考える人も多い。
 
一体、この差は何なのだろうか。
簡単に言うと、台湾は「リスクテイクできる社会」「失敗できる社会」なのではないかと思う。
 
感覚的には、台湾には東京の本社で働いていたときの、あの「ギスギス感」が非常に少ない。
もちろん、人によっては非常に大きなプレッシャーを受けて押しつぶされそうになっている人も
いるのではあるが、東京のそれに比べるとはるかに小さい。
 
南国の風土、と簡単に表現できるかもしれないが、果たしてそれだけが要因かと問われれば
きっとそうではないと思う。
 
日本人のみんな、もっとリスクテイクしようではないか。
失敗しても良いではないか。
 
そんなことを思いながら、自分も日々、さらにもう一歩踏み込んでチャレンジしようと考える。
 
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