台湾に赴任したら中国語を学ぶ?それとも英語?

台湾に赴任してはや1年10ヶ月。
赴任したときは「台湾って何語?え?台湾語?中国語?」っていう感じで何語が話されて
いるかもしらないし、公用語の中国語(北京語)はまったくもってカジったことも無いし、
どうしよう・・・というのが正直なところだった。業務は台湾人からの引継ぎで、客先に
行けば通訳してもらうか英語で話すしかないわけで、自ずと「英語できなきゃヤバイな」
と思った。
そこで「英語を勉強しよう」と思うのだけれども、同時に「じゃあ、中国語は勉強
しなくて良いの?」ということになり、せっかく台湾にいるのだし、中国語で
コミュニケーションするほうが自然なのだから「中国語も勉強したい」とも思ったのである。
両方やるとどっちつかずになるのを覚悟で、マンツーマンの中国語レッスンを4時間/週、
時間はフリーの英語学校通いをスタートした。
ほとんどの日本人は、生まれたときからずっと単一言語の環境で生活しているから、
複数言語を処理する脳の回路になっていない、と聞いたことがある。一方で、台湾語
中国語を小さいときから自然と耳にし使っている台湾人は、複数言語をうまく処理できる
脳の回路になっているらしい。だから、英語や日本語を学生時代に習い始めても、
マスターすることができるのである。
ほぼ2年が経過して実際どうかというと、英語はほぼ現状維持。リスニング力はかなりUP
したかもしれないが、話すのは依然としてダメだし、机に向かって勉強していないから
文法もイマイチ。TOEICのスコアは、やっと大学時代のレベルを取り戻したところ。
一方、中国語は文字通りゼロからのスタートだったが、いまや結構分かるレベルになった。
ボキャブラリーが少ないから、日常会話を除いて相手が何を言っているか把握するのは
難しいことも多いが、話す能力は英語を上回った。
結論は「両方勉強する」というスタンスで正解だったのではないか。英語だけ勉強して
いれば、かなり進歩したかもしれないが絶対後悔していたと思う。中国語だけ勉強して
いれば、英語力は劣化するだけだから将来的に厳しいと思う。
加えて、日本人には、「海外に何年も赴任していれば英語は当然話せる」というふうに
考える傾向があるため、「お前は海外に住んでいたのに英語もできないのか」と将来
言われる危険性がある。実は、これは大きなプレッシャーなのである。
どうか、そうは思わないで、と願ったところで、たとえば転職するときの面接や履歴書で
「海外赴任暦3年」と書けば「英語できるんだ」と取られてしまうのが通常であるから、
たまったものではない。
いずれにしても、英語も中国語もやらねばならぬ、それが使命なのだから、腹をくくって
あきらめて勉強しよう。