出井伸之「非連続の時代」
- 作者: 出井伸之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/12/17
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
ソニーの元会長兼CEOである出井伸之氏のスピーチをまとめた作品。
経営者としての出井さんのことは新聞や雑誌で読んだ程度で
詳細は分らないが、この本を読む限り、世の中の流れを感じ、
進むべき道を見つけるその感覚は群を抜いているように感じた。
あとがきでは、出井さんが茂木先生の「クオリア」を知ったときの
エピソードが描かれていた。
クオリアのなかにソニーの本質を見出すところなどは、一般の
経営者では到底できることではないと思う。
・ローマ帝国の礎を築いたカエサルの言葉
「人は自分の見たい現実しか見ない」
→危機は迫ってきているのではなく、もうここに来ているかも
知れない。(プロローグ)
・かつてないほどの非連続(=Quantum Leap)の視点や発想の
重要性が高まっている。(あとがき)
・約6500万年前、ユカタン半島に巨大隕石が堕ち、衝突の衝撃で
火山の爆発が起こり、地球全体は塵に覆われて太陽の光が
地上に届かなくなり気温は急激に低下した。
地球の気候は大きく変化し、ユカタン半島の恐竜のみならず、
地球上の恐竜すべてが絶滅してしまった。
しかし、ユカタン半島からみて地球の裏側に住んでいた
恐竜たちは、まさか自分が死ぬとは想像もしていないかったでしょう。
デジタルネットワーク技術は、まさに恐竜を滅ぼした巨大隕石と
同等のインパクトを持つ現代の巨大隕石です。
このインパクトの大きさを認識しすばやく変革を起こせない企業は、
恐竜のように絶滅の運命をたどってしまうでしょう。(P.65)