ヴェルナー・ハイゼンベルク「部分と全体」みすず書房(1971年)★★★☆☆

部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話

部分と全体―私の生涯の偉大な出会いと対話


ドイツの理論物理学者で、行列力学不確定性原理によって量子力学に大きく貢献した
ハイゼンベルクが、過去の対話を回想した自叙伝である。
 
当然、物理学の話が多く出てくるのだけれども、決してその範疇にとどまることなく
宗教、哲学、政治、歴史などをミックスし、幅広い考察が行われている。
 
量子力学の話、アインシュタインとの議論、ナチスドイツ下での原子技術の研究など
興味深い話が目白押しである。
 
特に印象に残ったのはアインシュタインとの議論。
 
アインシュタインは、ハイゼンベルクたちの量子力学に関する考察に対して納得することが
できず、最後までかたくなに自己の主張を貫いた。
それは誰の目から見ても明らかに、古い考えに固執しているものであった。
 
かの天才アインシュタインであっても、自分のプライドや自信が、新たなものの
理解を阻害してしまうという例である。
 
大変勉強になった本であった。
 
★↓ランキングに参加中。ワンクリックするだけで投票になりますので1日1回クリックをお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ