林望・茂木健一郎「教養脳を磨く!」NTT出版(2009年3月)★★☆☆☆

教養脳を磨く!

教養脳を磨く!


教養の重要性についての本であることを期待して読み始めるも、多くはそのテーマから
若干逸脱気味に話が展開されていることが残念。
 
その中でも有益な点あり。
 

(P.6)
そもそも、この世のさまざまのすべてに通じることなど不可能である。どんなに物知りでも、知らないことの方が多い。ましてや、この世を統べている法則や、生きる上での真理は、何人といえども把握しきることはできない。教養を身につけているとは、すなわち、自分がどれくらいものを知らないかということを自覚しているということである。それでいて、決して投げやりにはならないということである。

 

(P.7)
この世には、今の自分にはあずかり知り得ないような、凄いものがある。そのようなことに対する予感を抱くことこそが、教養というものの本質的な意義の一つである。自分の慣れ親しんだ日常の中にこもって井の中の蛙になってしまっていては、教養の天空のさわやかな空気をのびのびと吸うことはできない。

 

(P.9)
「教養」とは、すなわち、端的には一つの「態度」なのであり、決して知識の多寡によって量られるものではない。「教養」とは、有限な存在たる人間が「無限」に向き合う上での一つの形式である。

 

(P.41)
政治にせよ、学問にせよ、教養という「土壌」がないと「木」は育たない。(中略)よい土作りには時間がかかるのと同じように、教養を育むのにも手間がかかる。そのような奥行きの感覚を、日本人はいつの間にか失ってしまった。

 
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