石井光太「絶対貧困 世界最貧民の目線」光文社(2009年3月)★★★★☆

絶対貧困

絶対貧困


これほどインパクトのある本は久し振りである。
 
著者は実際に世界の最貧民の人々と生活しながら取材し、誰も踏み込むこもうとしない世界の
本質に迫っている。
 
「情報化」したと言われる昨今、我々は「知った気」になることが多い。
 
そもそも、傍から見て物事を把握する場合、必ず自分自身が過去の経験をもとに築いた
バイアスがかかっているということを考慮せねばならない。
 
貧困層のことを考える際も、なんとなくのイメージで判断することが多いのだけれども、
実際はまったくイメージとは異なった背景や環境の中に彼らの人生がある可能性がある
ということを忘れてはいけない。
 
自分が知っている世界というのは、「世界」と呼んではいけないくらい小さなものなのかも
知れない。
 
自分の小ささ、世の中の悲惨さ、そして先進国での報道がいかに片手落ちかということに
気付かされた一冊であった。
 
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