音楽と創造性

人類が生み出した素晴らしい事物は多々あるが、音楽はその最たるものであろう。
 
音楽は、何とも言えない不思議に満ちあふれている。
人類が創り上げる1曲1曲がそれぞれ独特のクオリアに満ちている。
ある曲を思い出して口ずさむとき、その曲によってしか形成されることがない、言葉では決して言い表せない
独特の感覚に包まれる。
 
音楽は、時に人を感動させたり心を和ませたりするが、音楽の素晴らしさはそれだけにとどまらない。 
 
実は、音楽は昨今特に求められている「創造性」を育むための有用なツールなのである。
このことについては考察されることが少ないが、音楽を聞いたり奏でたりするだけで、実は創造性を
育むことができるのである。
 
創造性を育むためには、あらゆる音楽に出会うことが望ましい。
ジャンルを限定せず、様々な音楽に触れると良い。
 
しかしながら創造性を育むツールという観点で音楽を考えると、聞く対象はできれば一般的なポップスは
除いた方が良い。
ポップスは、基本的に多数の人々に受け入れられやすい、分かりやすくて覚えやすいメロディーで
構成されている。
ポップスは、マス・マーケティングに基づき、企業が営利を最大化するために世の中に生みだされた
アーティストおよび曲が比較的多いのである。
 
ポップスのメロディーにももちろん独特のクオリアがあるが、概して言えばその独自性の度合いは小さいと
言わざるを得ない。
 
また、ただ単に自分の好き嫌いでジャンルやアーティスト、曲を選んでいくと、いつの間にか嗜好が
硬直化してしまうから気をつけるべきである。
世の中には自分が聞いたことがない曲が無数に存在しているのだから、間口をいかに最大化し、
嗜好を硬直化せずにオープンマインドでいられるかどうか、ということも重要なのである。
 
多彩な音楽に触れる効用。
 
それは例えば、自分が過去にまったく聞いたことがない旋律、想像したこともない変調・変拍子
初めて触れる楽器の音色、複数の楽器が醸し出すそのクオリア
心が澄み渡っていく感覚、その情熱に自然と興奮してくる感覚、また、感傷的になる感覚。
これらはまさに、創造性を育むために不可欠な養分なのである。
 
音楽によってもたらされるあらゆるクオリアのシャワーを浴び続ければ、人の創造性は必ず
と言ってよいほど強化されるのである。
 
Dream Theater「Octavarium」をあらためてじっくり聞きながら、こんなことを考えた。
 
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