茂木健一郎「ひらめきの導火線 トヨタとノーベル賞」PHP新書(2008年9月)★★☆☆☆

ひらめきの導火線 (PHP新書)

ひらめきの導火線 (PHP新書)


茂木さんの最新作を読む。
 

(P.34)
脳の仕組みからいえば、自身の個性を掘り下げるためには、自分という存在を客観的に見る「メタ認知」のプロセスが大切になる。
ここで重要なのは、「自分が何者であるか」という「個性」を、固定化して考えないことである。常に他社との関係の中で柔軟に変化する存在として、自分の個性をとらえることが大切である。「絶対視しないこと」は、「自分」に対しても忘れてはいけない。「自身」について考える際にどうしても避けなければならない「罠」は、自分自身の立場がこの世界の中で特別なものだと思いこんでしまうことであろう。それを避けるために必要なのは、自ら進んで遇有性の中に身を置くことである。
予測できる規則的なことと、予想できない不確実なことが入り交じった状態にあるのが、人が生きるうえでの本来の姿である。私は、「いま、ここ」にいる現実の私とは、まったく異なる「私」であった可能性がありえた、という思念。規則性と不規則性のはざま。そこから遠ざかろうとすると、生命力は失われる。「遇有性に身を置く」ということは、従属することではない。むしろそれは主体的な意思であり、覚悟である。

最近の日本人に大きく欠落していること。
それは、新しいことにどんどん挑戦し、様々なクオリアを味わい、自分の思考範囲を爆発的に広げることで、従来の自分とは異なる大きな視点から物事を見てあらたな発想で諸問題に挑むことである。
 

(P.140)
オープンエンドとはなにか。高い目標を掲げ、必死に知恵を出し、改善を重ねて達成する。そこで「よくやった」とハッピーエンドにしてしまわないことだ。「もっと上がある」「さらにいい方法がある」と、新たな目標を設定する。「やりきる」挑戦と同時に、「終わりがない」挑戦をすることが、徹底性である。

オープンエンドの精神も忘れがちである。
「一生勉強」と共通する言葉。
これを忘れず、常に歩みたいものである。
 
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