羽生善治「決断力」角川ONEテーマ21(2005年7月)★★★☆☆

決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)


将棋棋士、羽生善治さんの著作。
 
大変重要な基本がずらりと述べられている。
自分が普段考え、目指していることが、自然ときれいに整理されていくイメージで読んだ。

・人間は本当に追い詰められた経験をしなければダメだ。逆にいうと追い詰められた場所にこそ、大きな飛躍があるのだ。
・情報におぼれるのではなく、まず、”自分の頭で考える”ことが先決。
・勝負では、自分から危険なところに踏み込む勇気が必要。
・仕事にゆき詰まったときは整理整頓。
・守ろう、守ろうとすると後ろ向きになる。
・常に前進を目ざさないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。
・積極的にリスクを負うことは、未来のリスクを最小限にする。
・事前にしっかり準備して万全の態勢で対局に臨んでくる人は手強い人。
・戦略がなければ、企業も将棋も時代の進歩に取り残される。
・何かに興味を持ち、それを好きになって打ち込むことは、集中力だけでなく、思考力や創造力を養うことにもつながる。
・気分転換。いかに将棋から離れるかというのが大事。
・才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続することである。
・子供は「できた!」という喜びが、次の目標へのエネルギー源になる。
・自分の頭で考え、工夫する。その苦労や努力だけが自分の力になる。
・プロらしさとは何か?「明らかにアマチュアとは違う特別なものを持っており、その力を、瞬間的ではなく持続できること」。

 
最近私が興味を持っている、「子供」の可能性についても触れておられる箇所がある。
このような子供が増えると、将来、考えられない大人が増えることになる。

最近の子どもは、教えてもらわないとうまくならない傾向があるとよく聞く。たとえば、子どもに問題を出すと「まだ習っていない」からと、自分の頭で考えようとしない。
将棋の場合は特にそうだが、どの世界でも、教える行為に対して、教えられる側の依存度が高くなってしまうと問題である。将棋は、自分で考え、自分で指し手を決めていくものだ。誰かに教わってそれをそのまま真似たり、参考にしてやっていくことが習慣化してしまうと、局面を考える力は育たなくなってしまう。

 
とても良い本、一読必須。
 
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