A.トフラー、H.トフラー「 富の未来(上巻)」講談社(2006年6月)★★★★☆

富の未来 上巻

富の未来 上巻


かなり大きな視点、長いタイムスパンで現在を位置づけ、未来のあらゆる可能性を予想した一冊。
 
「フラット化する世界」を読んだときと同様、自分の視野の狭さを痛感しつつ、
劇的に地殻変動する現代のシステム、時間・空間・知識の価値、「生産消費」の拡大に気づかされた。

上巻まとめ(P.369-370)
1. 世界ではいま、富を生みだす方法の歴史的な変化起こっている。これは新しい生活様式、新しい文明の誕生という大きな動きの一部であり、いまのところ、アメリカがこの動きの最先端に位置している。
2. 企業や投資家、経済専門家が詳細にわたって検討している「基礎的条件」は表面に近い部分にあるものであり、そのはるか下に「基礎的条件の深部」がある。そして、時間、空間、知識を中心に、基礎的条件の深部にある要因との関係をわれわれは革命的に変化させている。今日では変化が加速していることから、経済のなかで「同時性のズレ」が起こる部分が増え続けている。経済ではグローバル化の時代が終わる可能性がある一方で、他の分野で再グローバル化が進む状況になっている。そして何よりも、富の創出の基礎にある知識基盤が急速に変化し、知識の多くが「死知識」になって重要性を失う一方、科学に挑戦し、さらには真実の定義と基準に挑戦する動きすら起こっている。
3. 金銭経済はもっと大きな富の体制の一部でしかなく、ほとんど注目されていないが、「生産消費活動」と呼ぶものに基づく世界的で巨大な非金銭経済から提供される価値に依存している。

 
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