松井孝典「宇宙生命、そして『人間圏』」ワック文庫(2005年10月)★★☆☆☆

宇宙生命、そして「人間圏」 (Wac bunko)

宇宙生命、そして「人間圏」 (Wac bunko)


人間圏の歴史や振る舞いを1万年前の人類の発祥から語るのではなく、銀河、銀河系、太陽系、
地球などの誕生から今に至る、長いタイムスパンで考える著者の思想が斬新で面白い。
 
数十億年前の地球誕生、6500万年前の巨大隕石衝突・恐竜絶滅といったとても大きな視点から
考えるという著者の思想をもとに、環境問題を考えていくと違った視点での提案が可能となる。
著者は、「地球にやさしい」ことをしても環境問題はまったく解決しないと言う。
 
もはや、ストックを消費するこの資本主義システムそのものを抜本から見直したり、
21世紀の早いうちに100億人に達するとみられる人口の抑制に本腰を入れて取り組んだり
しなければならないとの提案である。
 
地球は、今まで何度も生命の絶滅に遭遇してきた。
また、地球の長い歴史を見れば、現在人間が行っている環境破壊など小さなものであり、
仮にその環境破壊が進んで人間がこの地球上に住めなくなっても、他の生物や地球はそのまま
存続し、いつかまた次の生命の進化が見て取れるようになる、地球は人間のものではない、
という主張である。
 
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