台湾において中華料理が美味しい理由

今日行った四川料理の店でのこと。
 
台湾で食べる中華料理(四川、上海、広東、北京料理など)はとても美味しいという話をしていた。
中国で食べる本場の中華料理は、まあまあ美味しいと感じるのだけれども何だか大味で油っぽく、
何度も訪れて食べたい、と感じることは少ないというのが私たちの意見だった。
 
私が以前、広州に行ったときも、本場の広東料理ということで期待してお店に入り、そのときは
旅行中ということも後押ししてまあまあ美味しいと感じたのであった。
しかしながら、やはりどこか違うような、日本人に根本的に合わないような、そんな違和感を
感じたことを今でも覚えている。
 
南京西路の新光三越裏にあるこの四川料理屋さんは、地味だけどとても美味しいと評判な店で
人気を博している。
そのおかみさんが、私たちの話に入ってきた。
 
ご主人は外省人で、第二次世界大戦後に中国から台湾へ入ってきた方。
おかみさんと出会った後も台湾での苦労は続き、結果として日本に渡る。
約30年前のことである。
 
ご主人は日本で料理学校の先生を務めるほどの腕前で、その実力は日本でもかなりの定評とのこと。
その後、落ち着き始めた台湾に戻り、今の店を開いたそうである。
 
蒋介石率いる国民党が、中国共産党中共)に破れて台湾へ逃れてくる際、中国の優秀なコックも
台湾に連れてきたとのこと、ご主人もその中の一人なのだそうだ。
この優秀なコックたちは決して強制的に台湾へ連れてこられたわけでなく、自ら進んできたようだ。
 
1950〜60年代の中国は文化大革命などもあり非常に混乱していた時期。
共産主義の不備を日々体感している中国人にとって、それは恐ろしい日々であった。
 
平等が徹底される社会だから皆賃金は一緒。
トイレに行って30分、お茶を飲んで1時間、という感じでなんとなく仕事をしているように
振舞っていれば、皆と同じ賃金がもらえる。
頑張って働いても、結局は皆と同じ賃金だから誰もが真剣に働かなくなる。
そのような環境の中、文化大革命で中国の古き良きものが否定されれば、中国文明の力が
衰退するのは当然である。
 
かくして、中国の料理界も衰退していったのは間違いないようである。
 
一方、台湾といえば中国各地から入ってきた外省人の優秀なコックたちが腕を揮い、
成功して今も美味しい中華料理を提供している。
 
台湾では台湾料理が美味しい、と思い、中華料理は今まであまり多く食べてこなかったのだけれども、
この話を聞き、この料理屋さんの料理を食べた今、今後はどんどん中華料理を食べようと
思ったのであった。
 
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