公園のベンチにて

一人で公園のベンチにゆっくりのんびり座ることなんて、何年ぶりだろうか。
いままでそのようなことがあったかどうかすら、思い出すことが困難。
それくらい、久しぶりのことであった。
 
今週はずっと雨続きであったが、今日は快晴とはいかないまでもまあまあの天気だし、
気温も下がらなかったので公園には多くの人が出ていた。
 
飽きもせずすべり台で遊び続ける子供たち、
ゆっくりとした時を過ごすおじいさんとおばあさん、
ベンチでうたた寝する親子、
休むことを知らず夢中にバスケットを続ける少年たち、
ローラーブレードで何度転んでもすぐ立ち上がり挑戦し続ける少女。
 
そこに1匹のリスが現れると、周りにいた皆が息を潜めてその動きを見守る。
「こんな都会の公園でもリスがいるのか」と思う。
子供が近づいてきてリスを捕まえようとする。
「捕まえることはできないよ」と心でつぶやきながら、その姿を見守っていると
リスはものすごいスピードで木を駆け登っていく。
 
ふと、「平和な時代、平和な場所に生まれてよかったな、自分はいつもラッキーだな」と思う。
続けて、「この世界にラッキーでない人はきっと山ほどいるのだろう」と思う。
 
気づけば、雨が今にも降り出しそうである。
先ほどまではあんなに暖かかったのに、風が出てきて肌寒くなっている・・・。
 
偶然手にいれたラッキー。
自分が絶え間なく努力することを怠れば、ラッキーなんてすぐどこかに消え去ってしまうだろう。
今日の天気のように。
 
天気は自分の意志で変えることはできないが、自分の人生は自分の意志で少しくらいは
変えられるのではないか。努力次第で方向くらいは変えられると思う。
せめて、ラッキーを少しでも長く持続させることぐらいはしたい。
自分ならきっとできる、そう信じることにして明日も一日がんばろう。