茂木健一郎「『脳』整理法」

「脳」整理法 (ちくま新書)

「脳」整理法 (ちくま新書)


タイトルを見て少し尻込みしたが、茂木先生の本なので購入。
読んでみてなんと素晴らしい本なのかと感動してしまった。
そのタイトルからは想像もつかないほど思慮深い。
しかも茂木先生が脳科学者というアプローチから捉えている
人間の「深み」に関する考察は、私がこの15年間考え
続けてきた実存主義を中心とした哲学、弁証法、ビジネスに
おけるモチベーションマネジメント、芸術、音楽を貫く
私の思想と合致するものであった。
今まで出会った本の中で、三浦つとむさんの
「弁証法はどういう科学か」と張り合う大傑作。
しかも茂木先生と三浦さんの言っていることが非常に
似通っている。茂木先生の本の中で出てくる文脈を見て、
「これは弁証法における対立物の相互浸透だ」とか、
「二重化だ」とか「否定の否定だ」と興奮しながら読んだ。
この本を読んで、今まで自分の中にあった様々な思考が、
一気に結びつき晴れたような感覚を味わった。
・Contingency(偶有性)
・Detachment(自らの立場を離れて世界を見ること)
・Serendipity(偶然の幸運に出会う能力)