シリコンバレー精神

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)


 
印象に残ったこと
①Tenaciousness(絶対にギブアップしない執拗さ)。
②Muddle through(先行きが見えない中、手探りで困難に
 立ち向かうこと)を心底楽しむ。
③''The only way to do great work is to love what you do.
 If you do not find this so far, just keep looking, and don't sette.''
 by Steve Jobs, the CEO of Apple
 
梅田望夫氏によるシリコンバレー精神の定義>・・・同氏ブログより
 
この地の快適な気候を含む風土的条件、この地がアメリカという国の一部、しかも辺境の西部に位置するというとても重い事実、そしてその二つの土台の上に、シリコンバレー史の「新しい技術が未来を創造した記憶」が堆積することで「シリコンバレー精神」が形成され、それが空気のようにこの地を覆っている。

シリコンバレー精神」とは、人種や移民に対する底抜けのオープン性、競争社会の実力主義、アンチ・エスタブリッシュメント的気分、開拓者(フロンティア)精神、技術への信頼に根ざしたオプティミズム(楽天主義)、果敢な行動主義といった諸要素が交じり合った空気の中で、未来を創造するために執拗に何かをし続ける「狂気にも近い営み」を、面白がり楽しむ心の在り様のことである。

一九七〇年代のインテル、八〇年代のアップル、サン・マイクロシステムズ、オラクル、九〇年代のシスコ・システムズ、ヤフー、eベイ、そして二〇〇〇年代のグーグル。「シリコンバレー精神」を形作っている空気の諸要素は、創造的破壊によって無から世界企業になったシリコンバレー企業群に共通するビジネス風土でもある。「時の常識に挑戦し世界企業を創造する」と言うのは簡単だが、現実には、気が遠くなるほど凝縮した時間の中で行われる厖大な試行錯誤の連続を、長期にわたって耐え切れるかどうかが成功のカギを握る。だから、その一場面、一場面を支配する空気の質が、何よりも重要なのだ。

(梅田望夫シリコンバレー精神「文庫のための長いあとがき」より、P275-276)