夏目漱石「明暗」新潮文庫(1917年)★★★☆☆

明暗 (新潮文庫)

明暗 (新潮文庫)


夏目漱石未完の作「明暗」。
人間というものに真正面から向き合って描いた強烈な作品。
ちょっと今の自分の器では十分享受できないので要再読。

(P.543)
自由は何処まで行っても幸福なものだ。その代り何処まで行っても片付かないものだ。だから物足りないものだ。それでお前はその自由を放り出そうとするのか。では自由を失った暁に、おまえは荷物を確(しか)と手に入れる事が出来るのか。それをお前は知っているのか。御前の未来はまだ現前しないのだよ。お前の過去に合った一条の不可思議より、まだ幾倍からの不可思議を有(も)っているかも知れないのだよ。過去の不可思議を解くために、自分の思い通りのものを未来に要求して、今の自由を放り出そうとするお前は、馬鹿かな利巧かな。

そして次はいよいよ水村美苗の「続・明暗」。

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