水村美苗「日本語で書くということ」筑摩書房(2009年4月)★★☆☆☆

日本語で書くということ

日本語で書くということ


この本の中で、特に印象に残ったのは『「もう遅すぎますか」――初めての韓国旅行』というコラム。
アメリカで長く生活し、言語というものに真剣に向き合ってきた著者ならではの視点が面白い。
 
韓国において漢字はほぼ絶滅し、中国は簡体字を使うことで伝統的な繁体字を知らない人々が増える。
日本語にはカタカナ英語が溢れるが、漢字を捨てることは今のところしていない。
かろうじて台湾が繁体字を守り続けている。
 
近代化=西欧化という流れとアイデンティティ確立の動きの中で、表意文字である漢字文化が
大きく変化した。
 
我々が使う日本語は、漢字は今後どうなっていくのであろうか。
 
インターネットの進化やグローバル化の拡大により実質的に英語が世界共通語となり、これから
更にその傾向に拍車がかかるのが明らかである今、この漢字文化をどうすれば守っていけるのか
について、しっかりと考えたいと思った。
 
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