経済学者 ポール・ローマーの言葉

新しいものの入り込む余地があること――すなわち、現実に存在している結果以上に、実現が考えられる多大な可能性が存在すること――を認めたとたんに、われわれは、自分たちの住む世界の後ろ盾となるような特別な論理も、物事が今の形で存在しなければならないとする正当な理由も、まったくないのだという事実に直面することになる。これまでにわれわれが抱えてきた、大きさもさまざまなちょっとした不安要因にしても、ひょっとしたら、この世界を今とは似ても似つかぬものに変えていたかもしれないのだ……現在ある世界は、連綿と続いてきた偶然性の結果の積み重ねであることを、われわれは認めざるを得ない。
 
経済学者 ポール・ローマー
1994年、ジャーナル・オブ・ディベロップメント・エコノミクスより
マイケル・ルイス「ニュー・ニュー・シング」日本経済新聞社、P.335)

 
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ