内田樹「街場のメディア論」光文社新書(2010年8月)★★★★☆

街場のメディア論 (光文社新書)

街場のメディア論 (光文社新書)

  • 潜在能力が爆発的に開花するのは、自分のためというよりは、むしろ自分に向かって「この仕事をしてもらいたい」と懇請してくる他者の切迫である。
  • たいていの場合、自分の能力適性についての自己評価よりは、まわりの人の外部評価のほうが正確。
  • 彼らがものごころついたときにはすでに存在したものについて、「それはなんのために存在するのか?存続する甲斐のあるものなのか?存続させるとしたら、どのような手立てを尽くすべきなのか?」というラディカルな問いがありうるということを、当事者たちはたぶん知らない。あるいは知っているけれど、知らないふりをしている。
  • 「うまく俎上に載せられない」ということと、「そんな間違いはないかのようにふるまう」というのは別のことです。「うまく俎上に載せられない」のは単なる知性の不調ですが、「そんな問題はないかのようにふるまう」のはおのれの知性不調を隠蔽することです。フェイクが一つ入っている。知的な不調からは(きっかけがあれば)回復可能ですが、知的不調を隠蔽する人間は、そこから回復できない。
  • 人間は自分の達成したことについてしばしば「願望」と「事実」を取り違える。
  • 僕たちは「今読みたい本」を買うわけではありません。そうではなくて「いずれ読まねばならぬ本」を買うのです。
  • 反対給付(contre-prestation)。
  • Sauve qui peut(ソーブ・キ・プ):生き延びられるものは生き延びよ。

 
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