空洞化する日本

日本の製造業のグローバル化に関して興味深い記事があったのでメモしておきます。
いよいよ臨界点を超え、量質転化しそうです。
日本の製造業に従事するみなさん、そしてその他のみなさん、ようこそグローバルな世界へ。
 
◆「製造業、アジアなどにシフト 生産35兆円海外に流出」日本経済新聞、2010年5月31日(記事抜粋)

  • 国内の生産や雇用が日本から「流出」している。製造業がアジアなど海外に生産をシフトしたことから2008年度は国内生産額が35兆円、雇用は96万人ほど下押しされたもよう。
  • 海外生産は9%増。その一方で国内生産は10%減、輸出は26%減。(中略)異国での生産規模は国内の1.3倍に膨らんだ。
  • 08年の国内の製造品出荷額は334兆円。生産のおよそ1割が海外進出によって押し下げられた計算だ。生産の減少に伴って、単純計算で国内の雇用も差し引きで96万人下押しされた。約1000万人の製造業の就業者数と比べ、1割近い雇用が減ったことになる。
  • 国際協力銀行によると、全業種の海外生産比率は02年度の29.3%から08年度は34.5%に上がった。自動車41.4%→51.9%、電機・電子36.3%→41.0%、繊維22.3%→38.3%と、各産業で海外生産比率が上がっている。
  • 内閣府の調査では、製造業の55.7%が海外生産を「拡大・強化する」としている。
  • 外資の日本進出は低調だ。外資系企業を対象に経済産業省が調査したところ、08年度の設備投資額は前年度から35%も減った。常時働いている従業者数も前年度から25%減り43万8000人となった。

1年で国内生産額が35兆円(約10%)、雇用が96万人(約10%)減少?
これが10年続いたら、一体日本の製造業はどうなるのか。
また、製造業での生産額、雇用を埋め合わせられるほどの産業が日本には無いし
今後も大きな変化は期待できない。
ということは・・・。
 
◆「『海外で5割超』相次ぐ 成長戦略新興国に軸足」日本経済新聞、2010年6月1日(記事抜粋)

  • 電機や機械、素材などの大手が今後3〜5年間で成長戦略の軸足を新興国に移し、グローバル化を加速する。
  • 主要企業が策定した中期計画では、売上高に占める海外比率が初めて5割を超す企業が相次ぐ。(中略)生き残りをかけて海外シフトを急ぐ。
  • 国内の工場や設備が余剰になる可能性もあり、雇用対策などが課題となりそうだ
  • 主要企業の海外売上高比率の目標。川崎重工業:48%→65%(2020年)、東芝:55%→63%(2012年)、三菱重工業:49%→63%(2014年)、パナソニック:48%→55%(2012年)、NEC:20%→50%(2017年)。

5/31の記事は一時的な動きでないのは明らかだ。
日本企業は戦略的に海外シフトを加速させる。
生産も販売も、そしていずれ開発も海外へ流出する。
ということは・・・。
 
グローバル化を考えるときに忘れてはならないと私がいつも思っていること。
それは、「グローバル化は加速度的に進展する」ということです。
ということは・・・。
 
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