西垣通「ネットとリアルのあいだ」ちくまプリマー新書(2009年12月)★★☆☆☆

ネットとリアルのあいだ―生きるための情報学 (ちくまプリマー新書)

ネットとリアルのあいだ―生きるための情報学 (ちくまプリマー新書)


私の無知のせいかもしれないが、一部理解(同意)できない箇所があったものの、鋭い洞察から
ヒントを得ることができた本。
 
著者は、動物が今も有し、古代人類が有していた「右脳」による身体的信号の受信能力が文字の
登場とともに次第に弱まり、論理的思考をつかさどる「左脳」偏重型となってきたと指摘する。
しかも、IT技術の発展やネット社会の到来により、その傾向は加速度的に高まっているという。
 
この現代人が失った能力というのは、「共感覚」に近いものなのかもしれない。
 
論理的に考えようとし過ぎることで、人間の本来の能力が弱まり弊害が出る危険性は確かにある。
バランスを失った脳、人類、社会は、どのような未来を生み出すのだろうか。
 
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