井伏鱒二「黒い雨」新潮文庫(1966年)★★★☆☆

黒い雨 (新潮文庫)

黒い雨 (新潮文庫)


1966年に野間文芸賞を受賞した作品。
言わずと知れた、原爆を落とされた直後の広島を描いた傑作である。
 
私は広島や長崎に原爆が投下されたというこの悲劇を目にしていない。
実体験として、経験していない。
 
よって、その悲惨さは決して理解しきれることではないけれども、
少なくとも日本人として生まれたからには、何とかしてその悲惨さを
「主観」として感じなければならないという義務があるように思う。
 
個人主義が強まり、人のことなど気にとめない、無関心がはびこる現代社会。
 
グローバル化がこれほど進んでも、結局は争いが今も絶えない
この現代において、この悲劇を「主観」でとらえられる人を
世界中に一人でも多く生み出すことが重要である。
 
そのために、自分に何ができるのかをあらためて考えたいと思わせてくれた
一冊であった。
 
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