畑村洋太郎ほか「気づく力」プレジデント社(2005年8月)★★★★☆

気づく力 (PRESIDENT BOOKS)

気づく力 (PRESIDENT BOOKS)


ちょっとしたコツや考え方について、なかなか有益なことが詰まった本。
 

大前研一
・過去の成功事例を導入すればうまくいく時代ではない。
・トップがダメな場合、社員がいくらいい提案をしても本社スタッフ等から潰され、認められない。社員のほうはそんなことが何度か繰り返されるうちに、「考えても仕方がない」というような気持ちになって思考停止に陥ってしまう。
・日本企業は、開発研究費に5%、広告宣伝費に5〜10%程度の予算を平気で使いながら、肝心の管理職者の経営スキル・トレーニングはまったく軽んじられている。
・これからの世界戦略は、「国」ではなく「言語的地域」「民族的地域」「文化的地域」というような観点で発想しなければならない。
・思考する能力は、知的好奇心と成功したいと思う強い願望が前提にあると考えるが、現在の日本企業の経営者、管理職、社員は、その前提さえも欠如している。
・冒険心がなくなると、知的好奇心もなくなる。21世紀は99%に答えがないのだから、知的好奇心がきわめて強くなければ生きていくのも苦労する。
・三十代の人には、1. ハードルが非常に高い世界的な場で仕事をする、2. 住む場所を変える、3. 働く先を変える、ことなどを勧める。世界の第一線で働いている人と一緒に仕事をしたり、話をしたりすると、自分がいかに無知かを思い知らされる。

 

(後藤卓也)
・何も考えなかったら、情報は単に世の中に溢れているありきたりの話として流れていってしまう。
・私が情報を得るうえで対話の重要性を強調するのは、自分自身の判断能力には限界があると思っているから。

 

カルロス・ゴーン
・私たちはビジネスマンとして、つねに新たな現実に適応しなければならない。市場は変化し、法律、規制は変わり、技術も進化する。「考える力」こそが唯一そういった変化に適応すべき手段である。

 

藤原和博
・必要なのは想像力と論理的な思考。想像力とは、誰かの立場にたってロールプレーできるということ。論理力は物事を客観的に見て全体の状況を把握しシミュレーションすること。
・普段きちんと遊んでいるかどうかが大きい。行動範囲が広く、挑戦したり失敗したりといった経験を多く積んでいるから、発想も豊かで”勘”が働く。
・「情報編集力」とは、知識、技術、経験を総動員し、状況の中で納得解を見つける力。

 
有益な点は、その他多数あり。
  
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