池上彰&テレビ東京報道局「池上彰の20世紀を見にいく」小学館(2008年12月)★★★☆☆

池上彰の20世紀を見にいく (DVDブック)

池上彰の20世紀を見にいく (DVDブック)


BSジャパンで放送されていた「池上彰の20世紀を見にいく」のDVDブック。
ふんだんに貴重映像を使ったDVDがこの価格で手に入るとは嬉しい。
 
すでに、現代を生きる多くの人は、第二次世界大戦を経験していない。
そして何よりも、これから生まれてくる人は第二次世界大戦を経験した人と接し、直接体験話を聴き、
何かを感じることはなくなる。
 
そう考えると、我々の世代がしっかりと第二次世界大戦というものを認識し、後世に伝えて
いかなければならないと強く思う。
 
このDVDはとても有用なのだが、一方で満州事変などにおける関東軍の暴走などを示すことで
「第二次世界大戦での日本の行動はすべて日本に責任がある」と取れるような構成になっていたのが
少々残念。
 
放送時間に限りがあることは理解できるが、日本が戦争に踏み切らずを得なかった要因
(たとえば世界の列強がABCD包囲網を敷いて資源を囲い込みしたことから、日本の石油備蓄が
なくなる可能性があり、国の存続のために危機的状況を打開せねばならなかったこと)も
入れておいていただきたいと思った。
 
※防衛省の論文問題であらためて示されたとおり、日本国としては「あの戦争は日本がすべて悪かった」
 という見解だから、報道もそれに従わざるを得ないということであろうか。仮にそうであれば、
 日本の報道というのは、報道の本来の使命をまっとうできない存在であることになる。
 
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