茂木健一郎「『赤毛のアン』に学ぶ幸福になる方法」講談社文庫(2008年12月)★★★☆☆

「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法 (講談社文庫)

「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法 (講談社文庫)


赤毛のアンに盛り込まれた様々なヒントを、茂木先生らしい切り口で解釈した本。
赤毛のアンの素晴らしさを知れたことに加え、茂木先生の豊かな感性を感じることができる本であった。
 

(P.67)
僕が最近折りに触れ感じることは、人間は「読んだ本の高さの分だけ、成長できる」ということです。ニュートンは、「私が他人よりも遠くを見ることができるとしたら、それは、巨人の肩に乗っているからだ」と言っていますが、僕もその言葉に賛成です。人は、これまでに読んだ本の数だけ知識が増え、さまざまな感性を育むことができるのだと思います。

自分が知らないことは無限にある。
だからこそ、過去の人々が多くの時間を費やし人生そのものを削りながら情報収集し、悩み悩んで
書いた本を読むことは有益だと思う。
ある本からは知識を、ある本からは新たな視点を、ある本からは生きるヒントを得られるのである。
 

(P.151)
「現実的な豊かさは想像力を摩耗させる」という真実も隠されているのです。爆発的な想像力の由来のひとつが、現実社会における欠乏感から来るものだとすると、現実が幸福状態に近づくと、その源泉はかえって枯渇してしまいます。想像力が退化していってしまうのです。ちょうど、身体も負荷をかけていかないと、だんだんと退化していってしまいますが、それと同じです。安逸な生活を送っていると、想像力も次第にやせ衰えていってしまう。

なるほど、日本人に豊かな想像力が無くなってきているのもこれがひとつの要因かもしれないと思う。
やはり、ある程度の欠乏感を持つことも必要であるはずだ。
物事の両側面が同時に必要とされるということをあらためて考えさせられた。
 
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