児玉光雄「なぜモチベーションが上がらないのか」ソフトバンク新書(2006年3月)★★☆☆☆

なぜモチベーションが上がらないのか [ソフトバンク新書]

なぜモチベーションが上がらないのか [ソフトバンク新書]


臨床スポーツ心理学、体育方法学が専門の著者が書いた一冊。
以前から私が考えていることもかなり多かったが、分かりやすい内容でためになった。
 

(P.5)
結果志向ではなく、プロセス志向になる。プロセス志向に徹すれば、自分にとって悪い結果が出ても、やる気を失うことはない。

企業社会ではどうしても結果が求められることが多いが、今一度プロセスの重要性を
考えるきっかけとなった。
企業にとっては「結果」が重要だが、実はそれを影で支えているのはプロセスである。
 

(P.6)
イチローは、常に学習のアンテナを張っている。結果のよしあしではなく、一打席、一球から何かを学びとろうとし、飛躍の前兆を感じようとする。

すべてのことから学ぶことができる。
これに気づくと学ぶチャンスが無限にあることになり、成長スピードが
格段にアップする。
  

(P.8)
世界をリードする数多くの成功者は、必ずしも才能のみによって栄光を獲得したのではない。彼らの共通点は、最高レベルのモチベーションを長期間維持する能力があったということだ。

羽生さんの話と同じ。
モチベーションさえ維持できれば、人は誰でも爆発的に成長できる。
 

(P.14)
適度な運動も神経伝達物質を分泌する大きな鍵となる。可能ならば、朝起きたら、二、三十分でいいから散歩をする。そうすることで、脳がさらに活性化するだけでなく、神経細胞や脳を存分に刺激できるようになるはずだ。

忘れがちなことだけれども、実はかなり重要。
 

(P.55)
ヨットを操る時、コーチが「力いっぱいロープを握れ」と指示しても、クルーは力いっぱいに握れないそうだ。ところが「10秒間握れ」と言われると、それに向かってがんばる。つまり数字が入るか入らないかで、クルーの動きはまったく違ってくるのだという。

わかりやすい例えであるため、とても気に入った文章。
メリハリをこうしてつけるのも良い。
 

(P.74)
高いモチベーションを保ち続けるために一番大切なのは、「コントロールできること」と「コントロールできないこと」をはっきり分けること。

これはいつも自分に言い聞かせていること。
 

(P.81)
性格というものは、コインの両面のように、短所・長所いずれの視点でも説明できる。ならば、できるだけ長所として見た方が自分をポジティブにとらえられるし、楽観的になれる。

これも以前から考えていたこと。
物事は両面の解釈が可能なのである。
 

(P.91)
エデュケーションの語源はラテン語の「エデュカーレ」。直訳すると「引き出す」という意味。能力、やる気を引き出すのが本来の教育なのである。
コーチは「馬車」という意味。お金をとってお客さんを乗せ、目的地まで運んでいく大型の馬車を指す。つまり、人々を目的地まで導くのがコーチ。

これもおもしろい文章。
なるほど、とうなづくことができる。
 
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