天野雅晴「自分をグローバル化する仕事術」ダイヤモンド社(2008年8月)★★★★☆

自分をグローバル化する仕事術

自分をグローバル化する仕事術


アメリカ在住30年の著者が書いた「世界標準のルール=多様化社会のルール」の
仕事術がわかる本。
 
こうして読み終えると、普段の自分の行動は結構世界標準に近いなぁと思った。
やはり台湾での3年3ヵ月の生活は大きかった。
 
会社のみんなは今、
「こいつ、何考えているか分からないなあ、変人だ」
と思っているに違いない。
 

(P.22)
自己主張が必要。
ただし自己主張とは自分の言い分を相手に押しつけるものではなく、お互いのアイデンティティを知るためのプロトコル。
大事なのは、穏やかな気持ちとゆっくりとした口調で自己主張すること。

日本人同士の会話だと、この基本ができないことが結構ある。
 

(P.32)
世界標準では、どんな人の立場も対等。
相手の考え方や価値観を尊重し、自分とは違う考え方を受け止めること、これが多様化社会で共存していくための基本。

日本人にとってはとても難しいこと。
しかし、これができれば自分の幅はどんどん広がっていく。
 

(P.60)
自分にとってはどんなに当たり前のことでも、ロジックに基づいた説明が必要。

日本人は図などで漠然と理解することができるが、世界標準ではテキストでの説明が
必要であるそうだ。
これは知らなかった。
 

(P.71)
多様化社会で物事を判断する場合、罪文化が基本となる。
それは自分自身で判断基準を持たないと埒が明かなくなってしまうから。

罪文化のアメリカ的な考え方は、実はとても嫌いだったのだけれども、
こうやって説明されるとなるほどと思う。
多様化社会では、自分の価値観をしっかり構築したうえで、それに従って
判断していくことが不可欠なのだ。
そうしなければ、声が大きい強引な人に流されてしまう。
 

(P.84)
とりあえずアクションして体感する。
若い時は特にどんどんチャレンジすべき。
ダイナミックな変化が当たり前となっている多様化社会では、何もチャレンジしないで
じっとしている方がむしろ大きなリスク。

何もしないことのリスク。
これは投資の勉強のときに学んだこと。
なかなか気づきづらい重要なこと。
 

(P.97)
日本人から見れば、定時に家に帰るアメリカ人はすごく怠慢に見えるかもしれない。
でも、アメリカ人はエネルギーをとっておいて、家に帰ってから難しいことを考えている。
日本人は忙しくて余裕がなく、仕事にエネルギーを使ってしまい、考えるための
エネルギーが残らない。
その結果、戦略がなくなる。
余裕がなければ人まねでないクリエイティブな発想は全然出てこない。
一生懸命に考え抜いたうえで、ちょっとリラックスしたときにフッとアイディアがわく。

まったくもって恐ろしい文である。
自分の頭で考えない日本人が多いことは日々実感しているので、なるほどと思う。
 

(P.136)
人間は緊張感がないと退化する。
良い緊張感を持ち、それをうまく利用して自分を進化させることは、人間をはじめとする
生物が生き残っていくために必要な自然の摂理。

 

(P.144)
どんな社会も変化する。
変化の過程で古くて使いものにならなくなったものは敢えて捨て、次々に新しいものに
置き換えていくことでステップアップするのが世界標準のルール。
人間の体も、分子レベルで新陳代謝しており、二、三か月ですべて入れ替わる。
つまり、新陳代謝が行われなければ、社会も会社も生物も死んでしまう。

こう考えると、会社はぜんぜん新陳代謝してないように感じる。
 

(P.167)
頼まれた時がチャンス。
人のネットワークは自分が頼むよりも人から頼まれることでつながっていく。
つまり、頼まれ上手になることが重要。

これも、いやだと思っていたことがうれしいことになる、まさに
マリオブラザーズ理論である。
 

(P.174)
"Don't Burn Any Bridges"
自分から関係を断ち切るようなことをしてはいけない。

人を全否定する理由は絶対にないはずだし、メリットも一つもない。
 

(P.188)
前代未聞のチャレンジをしてみることも大切。
アメリカでは、みんな敢えて斬新なことにチャレンジする。
前例のないものを敬遠してしまうのは、新しいものの価値を判断する力と自信がないから。

やってしまえ、やってしまえ、やってしまえ。
 

(P.196)
日本人、アメリカ人を問わず私の周囲で成功しているのは、みんな早寝早起きの
生活リズムを守っている人たち。
朝は、夜中に悩んだことがうそのように考え方がポジティブになり、
自然とストレスに立ち向かう勇気がわいてくる。

これはよく理解できる。
例えば、夜、
「今週はたくさんやらねばならないことがありイヤだなぁ」
と考えていても、朝になるとやるべきことが整理されていて、そんなに大変なことでは
ないと考えられることが多い。
 

(P.211 あとがき)
大切なのはルールを知ることではない。
ルールをもとに行動することである。
学びと行動をループ化することによって、はじめて人は成長できる。

ここまでわかれば、あとはやるだけ、成長するだけ。
 
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