高木桂蔵「客家 中国の内なる異邦人」講談社現代新書(1991年6月)★★★☆☆

客家 (講談社現代新書)

客家 (講談社現代新書)


 
中国を語る本は無数に存在するけれども、その中でそれぞれの民族までしっかりと
分析した本は少ないからとてもためになった。
 
私が生活していた台湾では、客家人は人口の約15%を占める。
 
私の客家人に対する印象は、「勤勉で頭が良い」ということ。
しかし、それは私が出会った何人かの客家人に対する漠然とした印象であって、
しっかりとこの客家人の歴史や文化的特徴を学んだことはなかった。
 
中国内の客家人口は、現在約4,500万人と言われている。
しかしながら近現代の中華文化圏において、彼らがその人口比率の何十倍もの役割を
果たしてきたのである。
 
例えば、中国の蠟小平、台湾の元総統である李登輝、シンガポール建国を果たした
リー・クアンユーなどは客家人である。
 
北では北京を動かし、南では華南経済圏を動かす。
この客家の存在を知ることなくして中国は把握できない。
 
とても良い本であった。
 
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