台湾赴任が決定したとき何語を優先して学ぶべきか

台湾駐在が決定したとき、私は台湾の知識がほとんど無かった。
 
それまで、過去に1度だけ3泊4日の個人旅行で台湾を訪れたことがあったのだけれども、
それは「近いから」とか、「料理が美味しそうだから」といった単純な動機で
訪問しただけであって特に深い意味はなかったから、台湾の文化は観光地を回ることで
触れる程度だった。
 
だから、台湾へ行けと会社側から告げられたとき、思わず、
「台湾で何語が公用語なんですか?」と聞いてしまったのである。
 
その後、台湾にそのとき駐在していた先輩に電話して分かったことであるが、
公用語は中国大陸で標準語として使用されている北京語であることが判明。
しかしながら漢字は大陸で使用されている簡体字ではなく、日本よりも難しい繁体字とのこと。
 
それだけで混乱し始めたのに、台湾では台湾語客家語も話されているという。
これで話は完全にチンプンカンプンになった。
 
さらには、ビジネスでは英語という情報や、日本語だって通じるよという説もあり、
ますます訳が分からなくなる。
旅行で訪問したときは、英語と日本語でしのいだけれども、一体どうすれば良いのやら。
 
それでも台湾に赴任する前に語学の本を買いたいし、ある程度勉強しておきたい。
ということで、北京語(中国語)の参考書を買うことにした。
しかしながら、日本の本屋さんで手に入るのは、ほとんどが簡体字版であり、
繁体字版はほとんど無い。
しかたなく、簡体字の入門書・参考書を購入。
 
あれだけ発音含め練習したはずなのに、歓迎会で遣った北京語はみんなにまったく通じず。
・・・。
これは一体?
自分の発音が悪いのか、それとも中国大陸で使用されている北京語と台湾での北京語は少し違うのか。
いきなり悩む。
 
さらに台北着任後、英語を中心に勉強すべきか、それとも北京語を中心に勉強すべきかを悩む。
台湾のIT関連企業で働く台湾人は、台湾人同士でもEメールは英語だし、
ほとんどの人が英語を話せるから英語でよいのでは、という説。
さらには、公用語である北京語で話さねば心は開いてくれないという説。
 
迷った挙句、結局両方を同時進行で勉強するという、もっとも過酷な選択肢を選んだ。
 
初めて1年くらいは、北京語のレッスンを受けると英語が話せなくなる、
英語のレッスンを受けると北京語が話せなくなるといった感覚。
前に進んでいるのかどうか良くわからない状態での模索が続く。
 
約3年が経過した今、英語と北京語の勉強を両方したことについてあらためて考えてみると、
この選択は間違っていなかったのではないかと思う。
 
言いたいことをしっかり言うために、英語は必須。
北京語をビジネスレベルで話せる人以外は、やはり英語を習得する必要があると思う。
 
一方、やはり台湾人にとって英語は外来語。(北京語も一部の人たちには外来語だけど)
英語で話すよりも北京語で話した方がいろいろと話してくれるし、コミュニケーションも
取りやすい。
また、中国語を話せるの?ということでかなり好感を持ってもらえることも多い。
 
生まれたときからほぼ日本語だけしか聞かずに育った日本人にとって、
外国語を習得することはかなり難しいことかもしれないけれども、
その「私はダメだから」という固定観念を振り切って努力すれば何とかなるような気もする。
 
あまり単語を知らず、文法も分からないとしても、自信を持ちながら「伝えたい」という
意思があれば何とか伝わるし、そういう覚悟で日々の生活・仕事を行っていけば
いつのまにか上達するのだと思う。
 
もちろん、同じ台湾赴任であっても業種やその人それぞれの仕事があるので
一概には言えないけれども、私の場合はこうであった。
 
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